「オーライ!ニッポン大賞」受賞
WWOOFジャパンの長年の取り組みが、これからのグリーン・ツーリズムの一つの形と高く評価され、2018年、都市と農山漁村の共生・対流表彰事業(代表:養老孟司氏)の「オーライ!ニッポン大賞審査委員会長賞」を受賞しました。
WWOOFジャパンの役割・使命
経済発展のみに重きが置かれているような浮き沈みの激しい現代において、そんな中でも一人一人が幸せを感じながら過ごすことができる社会が形成されることを望み、WWOOF ジャパンは地道な活動を行っています。
大きく分けて8項目を柱として日本でWWOOF(ウーフ)を広げています。(1)日本の農業、特に有機農業を元気に (2)人を大切にした社会づくり (3)食に関心を (4)環境に配慮した生活様式の推奨 (5)都会と田舎の橋渡し (6)日本と外国とのつながりの深化 (7)日本を再発見 (8)多様な生き方の入り口
1) 日本の農業、特に有機農業を元気に
- 農業を元気に
産業構造において弱者である第一次産業(注1)・農業は、その人口が減少する一方です。この農業に日本各地に住む人と海外から来日する人に注目してもらい、WWOOFを体験して実際に農に接することで、農業の重要性を認識してもらいます。
農業に興味を持つ人を増やし、WWOOFを踏み石にし、農業人口を増やす手伝いをします。
ウーファーを受け入れすることで、農業従事者は活力を得ます。 - 有機農家に力を
特に手作業が多く人手不足になりがちな有機農業、無農薬・無化学肥料で農業を営む人たちを応援します。
2)人を大切にした社会づくり
- 知らない人との出会い
通常の生活をしているとけして出会わない人との出会いの場を作ります。閉ざされがちな地方で暮らす人たちに、都会の人たちと、あるいは他の都道府県に住む人たちと、さらに世界各国から来る人たちとの出会いの場を作ります。 - 地域社会活動を活発に
農村地域に住むホスト家族は、ウーファーといういわゆる「よそ者たち」(注2)と接することでその生活に活性化が起こり、それが周りに波及し地域の社会活動が活発化されます。 - コミュニケーションの大切さの認識
人と人とが出会い、会話することで多様な生き方を知り、新たな価値観に気がつきます。 - ホストとウーファーは家族のようなもの
ホストとウーファーが家族のような関係となることで、相手を思いやる気持ち、人を大切にする気持ちを育みます。
3)食に関心を
- 食の大切さの見直し
安心できる作物がどのように育てられるか勉強します。
食というものが、人間を作り上げる上でどのように大切なものであるかを学びます。 - 健康生活の維持
広々とした大地の上で、土に触り、体を動かし、農作物や動物に接することで体の調子が整い、肉体的にも精神的にも健康な身体が形成されます。
4)環境に配慮した生活様式の推奨
- 持続可能な社会づくり
子孫が安心して生活できるできるように、地球の限りある資源を考慮し、自然を尊び、環境に配慮した社会作りを目指します。 - オーガニック的な思考を
無農薬、無化学肥料の栽培方法を学習する他、オーガニックな生き方をするにはどうしたらよいかを一緒に学んでいきます。
5)都会と田舎の橋渡し
- 都会と地方との行き来の増加
都会と地方の行き来を増加させ、円滑にします。地方の魅力が引き出され、移住者を増やします。しかし、都会は都会で、田舎は田舎で、という線引きや、都会対田舎という二項目対立ではなく、それぞれの暮らし方の違いや、それぞれの良さも理解できることを目指します。
6)日本と外国とのつながりの深化
- 地方のグローバリゼーション
世界各国からウーファーが多数来訪します。地方で暮らすホストは外国人ウーファーと生活を共にすることで、居ながらグローバルな視野を広げます。 - 親日家の増加
外国人ウーファーはホストと日々生活をともにすることで家族のような関係が形成され、より一層日本文化、日本語、日本人について興味が生じ、親日家を増加させます。リピート訪日者を増やします。若者や、通常であれば来日することが簡単にできないような経済的な弱者にもWWOOFの交換の仕組みで、低経費での渡航を可能にします。
7)日本を再発見
- 地方文化の尊重、保護
自分ではなかなか気がつかない地方の良さを、ウーファーが指摘してくれます。47都道府県の各地で育まれているそれぞれの地方文化の優れた点が再認識され、保護に繋がります。 - 日本の経済活動にも寄与
完全なる経済至上主義には懐疑的ですが、社会において経済活動はやはり重要な事項です。都会で生活する人々が交通費をかけて地方に移動し、観光し、地域の物産を消費することで、地方の経済活動に貢献しています。
- オルタナティブな生き方
現在、社会の主流は都会や大きな町での会社員生活です。しかし、生きる道は本来様々な形があるはずです。WWOOFホストの暮らし方は、多様な生き方があることを示しています。WWOOFの経験は、人生の次のステップへ大きな一歩を動かせる踏み台に、つまり力の元になります。
(注1)総務省統計局の統計で、従事者の割合が大正9年には53.8%だった第一次産業従事者は、平成17年にはわずか5.1%と激減していることがわかります。
(注2)地域を元気にするために、「若者、よそ者、馬鹿者」という言い方があります。思い込みや固定観念が少なく、発想が大胆であったり、思いがけない観点から物事を取り上げることができ、地域の優れた良さを発見していくことが可能になります。
どのような形でWWOOFという仕組みに入って来てもよく、どのような形で出て行ってもよいのがWWOOFです。
WWOOFを利用してご自分の幸せを見つけていってください。
心も体もオーガニック、環境に考慮し、WWOOFを通して実りある生活を!
WWOOFジャパン LLP 共同代表 星野紀代子
WWOOFジャパン
1994年北海道札幌で開始。WWOOFジャパン LLP は、会員からの年会費のみで運営されています。コンピュータネットワークにおけるオンラインを利用し、WWOOF会員に情報の提供を行っています。WWOOFジャパン事務局は、WWOOFジャパン有限責任事業組合です。オープンオフィスではありません。すべてのお問合せはお問合せフォームからお願いいたします。
WWOOFジャパン有限責任事業組合